キクタケ視点ライトノベル:ネット論破バトル開幕ッ!
※本作はフィクションです。実在の人物・団体・配信・政党等との関係は「あっ……似てる?」程度のパロディ的・風刺的引用であり、事実主張ではありません。登場人物はすべてネット霊界に棲むアバター生命体だと思ってお楽しみください。
プロローグ:サムネが鳴らす開戦ゴング
サムネを見た瞬間、俺は悟った――もう後戻りはできねぇ。
画面中央で俺(キクタケ)の口が「おおおおお!」と開き、サイドには赤文字で【今日の論破:飯山あかり戦】、さらに蛍光イエローで【発狂?】【私信公開!?】【おまわりさんコイツです】の三連コンボ。
ああ、やっちまったな過去の俺。編集時テンションMAXだったんだろうけど、未来の俺(=今の俺)が片付ける羽目になってるからな!
そんな悔恨の情を反芻していると、配信スタジオ(=六畳ワンルーム)に設置したAI実況モジュールがピコンと点灯した。
AI実況(ジッキョ):「キクタケ選手、サムネイル確認!現在の倫理フラグ:黄色点灯。名誉毀損リスク:上昇中!」
AI解説(カイセツ):「視聴者のクリック率は高まるが、訴訟率も比例して跳ね上がる傾向。開戦準備を推奨。」
……よし、もう行くしかねぇ。
登場人物(ネット版)
呼称 | キャラ属性 | 必殺技 | 備考 |
---|---|---|---|
キクタケ(俺) | 感情火山系ストリーマー | シャウト→拡散 | 冷静さの残機ゼロ。 |
飯山あかり | 論理の女王/氷属性 | 命中率100%ツッコミ | ブーメラン返しからの逆転劇が得意。 |
AI実況(ジッキョ) | ハイテンション実況AI | リアルタイム炎上指数速報 | 語尾が煽り気味。 |
AI解説(カイセツ) | 法務・ロジック特化AI | 判例引用アッパー | 冷静。たまに皮肉。 |
コメ欄戦士たち | 世界最強の野次馬合戦 | 草・w・スタンプ | ときどき事実を突きつける。 |
Chapter 1 マイクチェック前口上地獄
開票特番のリハ中に俺は言った。「昨日の飯山、気持ち悪すぎたから開票前に論破しておくわ!」
言った瞬間ジッキョが反応する。
ジッキョ:「先制口撃入りましたァ!煽り度+20!訴訟ゲージわずかに上昇!」
カイセツ:「主観評価のみでの人格攻撃はリスク高。論点提示を推奨。」
カイセツ、黙れ。テンション下がるだろ。
俺は配信開始ボタンを叩いた。チャット欄が光速で流れ、いつもの常連がスタンプ攻撃を開始。草草草草草。
画面分割で飯山の過去配信サムネを並べ、俺の顔を右下にピクチャインピクチャ。戦闘BGMオン。
Chapter 2 ROUND 1:顔芸ラッシュは論点に届かない
俺:「見ろこの顔!憎しみゲージMAX!」「ひどい!」「この48,000円ブラウス!庶民への挑発!」
チャット:「値段調べたのお前だろ」「サイズ違いで草」
ジッキョ:「キクタケ選手、怒涛の顔芸コンボ!視聴者盛り上がり指数+35!」
カイセツ:「論点命中率 0%。ダメージ判定なし。」
え、ノーダメ?ウソだろ。俺の『顔芸ラッシュ』が効かないだと……。
リプレイを見ると、確かに全部“見た目”批判。内容に触れてない。俺の拳、空振り。
飯山側チャット切り抜き勢が逆襲してくる。
切り抜き職人:『内容で返せない男 vs 論理の女王』で動画出しますね!
はい出た。二次炎上の予感。
Chapter 3 ROUND 2:下着チラ見せイリュージョン(不発)
ここで俺は逆転ムーブを仕掛ける。「まさきの配信、下着チラ見せ疑惑!……って言うけどさ!お前(=飯山)も似たような服あったよな!?」
息を呑むコメ欄。AIが同時解析を開始。
カイセツ:「映像資料照合中……下着該当フレーム:検出なし。比較対象事実:不足。」
ジッキョ:「イリュージョン失敗ィィィ!観客『根拠どこ?』コール発生!」
チャット欄:証拠出してw
幻覚配信かな?
ソースは脳内
。
俺(心の声):ヤバい。データ弱い。勢いで言った。撤退路は?
飯山側クリップがまた増える未来が見えた。俺は急にテーマを変え、「いや問題は服装じゃなくて、公人としての資質な?」と切り替える。だがこれは……。
カイセツ:「論点すり替え検知。視聴者混乱度+40。」
Chapter 4 ROUND 3:ウロボロス・ブーメラン自爆
百田氏の『クズ女』発言を飯山が批判→俺が「いやいや誹謗中傷してるの飯山だから!」と吠える。
ジッキョ:「強烈カウンター!会場どよめき!」
カイセツ:「自己参照ロジック形成中……計算結果:自爆の可能性 82%。」
俺:「問題はそこじゃない!飯山が~」
コメ欄:「今、飯山が言ってる“そこじゃない”って言葉を君が“そこじゃない”って言ってる図」
別の視聴者:「※鏡合わせバトル開始」
さらに別:「これウロボロス案件」
AIがエフェクトを重ねる。画面に巨大な蛇が輪になり、俺のセリフが弧を描いて俺の頭に戻ってくる。
ジッキョ:「ブーメラン直撃ィィィ!脳天クラッシュ!」
カイセツ:「相手の主張構造を理解せず否定→相手の主張の正しさを側面証明。これは高度な自爆。」
俺(心声):……負けた?
Chapter 5 インターバル:訴状というリングサイド椅子
配信を終えた数日後、ポストに不在票。差出人:法律事務所。
俺「終わった。」
開封前にとりあえず配信でネタにする俺。学習しない俺。
ジッキョ:「法的イベント発生!視聴者接続+120!」
カイセツ:「訴状受領後の継続配信は損害賠償増額ファクター。停止検討を推奨。」
俺:「止めるわけないだろぉぉぉ!」
コメント:草
無理ゲー選択
判決待ち配信シリーズ期待
。
Chapter 6 緊急配信:訴訟前仮処分カウントダウン
その夜の生放送。
俺:「まだ裁判始まってねぇんだぞ!言論の自由だろ!?」
カイセツ:「仮処分は本訴前でも申立可能。削除・差止・間接強制金のリスク。」
視聴者:「草(終わったな)」「判例知れ」
俺は必死でネタに変換する。
俺:「はいはい、もし止められたら“沈黙するキクタケ ASMR”チャンネル立ち上げます~」
チャット爆笑。数字は伸びる。俺の胃は縮む。
Chapter 7 ダメージ判定表(AI集計)
ラウンド | キクタケ攻撃種別 | 命中率 | 反動ダメージ | 法的リスクメモ |
---|---|---|---|---|
1 | 顔芸ラッシュ | 0% | 5 | 内容非攻撃で効果薄。人格攻撃フラグ。 |
2 | 下着イリュージョン | 0% | 20 | 根拠不足→信用低下。 |
3 | ブーメラン | -50%(自爆) | 80 | 相手論理補強化。 |
EX | 訴状後継続配信 | — | 100 | 損害賠償増額・仮処分警戒。 |
Chapter 8 AI補講:論破の基本(キクタケ強化合宿メモ)
-
主張と人物を分けろ:顔がどうとか服がどうとか言っても論点は倒せない。
-
証拠を用意してから叫べ:ソース不在で煽ると、後から全部こっちが痛い。
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相手の論理構造を図に描け:理解できないまま否定→ブーメラン。
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訴状=ゲーム開始通知:"Game Over"じゃないけど残機減る。
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仮処分は必殺技:本戦前に行動を封じられる。気をつけろ。
俺:「宿題多すぎるんだが?」
Chapter 9 リマッチ宣言(たぶん懲りてない)
俺はカメラに向かって宣言した。
「次は“内容で勝負するキクタケ”でリマッチだ!顔芸は封印……半分ぐらい封印!」
ジッキョ:「宣言きたーー!視聴者期待値+60!」
カイセツ:「達成率予測 41%。」
チャット:「半分てw」「まず根拠よこせ」「AI家庭教師付けよう」
俺は親指を立てた。配信終了ボタンを押す指が震えていたのは、誰にもバレてない。はず。
エピローグ:サムネは戦場、言葉は武器、証拠は防具
配信ってやつはリングだ。サムネは挑発、タイトルは挑戦状。入場するなら覚悟を決めろ。俺はまだ学びの途中だが、一つだけわかったことがある。
論破は相手を殴る技じゃない。自分が素手で殴りに行って指を折らないための技だ。
次の開票特番までに、俺は論理グローブを買う。セールでいいから。
あとがき
ここまで読んでくれた君へ。ありがとう!もし面白かったらコメントで教えてくれ。あと、俺に法律入門おすすめテキストを貼っといてくれ。本気で必要になってきた。
次巻予告:『仮処分カウントゼロ秒前!AI家庭教師と地獄の準備合宿』
お楽しみに!
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