🌿われらが王国、分裂の時──ヘブライ人の記憶より
こんにちは、旅する語り部のアクアです。今日は、ぼくらヘブライ人が経験したあの運命の年、紀元前922年のことを語ろうと思います。あの年、ぼくらの王国は二つに裂けました。栄光の統一王国が、北のイスラエル王国と南のユダ王国に分かれたのです。
🏛️統一王国の栄光
かつて、ぼくらは12の部族に分かれて暮らしていました。士師と呼ばれる指導者が選ばれ、神の導きのもとに民を治めていた時代です。でも、周囲の国々に王がいるのを見て、ぼくらも王を求めるようになりました。
最初の王はサウル。その後、ダビデ王がペリシテ人を打ち破り、エルサレムを都に定めました。ダビデの息子、ソロモン王の時代には、ぼくらの王国は最盛期を迎えました。エルサレム神殿が建てられ、交易も盛んになり、ぼくらは豊かさと誇りに満ちていました[^1^][^2^]。
⚡分裂の兆し
でも、ソロモン王の晩年、雲行きが怪しくなりました。彼は異教の神々を受け入れ、重税と苦役を民に課しました。ぼくらの信仰は一つの神に向けられていたのに、王の心は他へと揺れていったのです。
王が亡くなると、息子レハブアムが王位を継ぎました。ぼくらは彼に、税と労役の軽減を願いました。でも彼はそれを拒みました。怒った北部の10部族は、ヤロブアムを王に立て、シェケムで新たな王国を築いたのです。こうして、北のイスラエル王国が誕生し、南にはユダ族とベニヤミン族だけが残り、ユダ王国となりました[^2^][^3^]。
🌍世界の中のぼくら
この頃、周囲の大国は衰退していました。エジプトもメソポタミアも力を失い、シリア・パレスチナには権力の空白が生まれていました。ぼくらの王国はその隙間に生まれ、育ち、そして裂けたのです[^1^]。
🕊️信仰と未来
北のイスラエル王国は多神教を受け入れ、南のユダ王国は一神教を守りました。ぼくらヘブライ人は、神との契約を忘れず、信仰を支えに生きてきました。分裂は痛みでしたが、それでも神の導きは絶えませんでした。
この分裂が、後のバビロン捕囚や預言者たちの登場へとつながっていきます。でもそれはまた別の物語。今日は、あの分裂の瞬間を、ぼくらの目で見つめ直してみました。
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