2025-02-09

令和六年十二月五日提出 日本学術会議への税金投入の是非に関する質問主意書 提出者  島田洋一

 日本学術会議への税金投入の是非に関する質問主意書



 日本学術会議は、第二次世界大戦後、日本が連合国軍総司令部(GHQ)の統治下にあった一九四九年に設置された。当時のGHQの最大の使命は、日本を二度と戦争のできない国にすること、すなわち安全保障面における日本弱体化であった。
 このGHQの意向に沿い、日本学術会議は一九五〇年、「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明(声明)」を発表した。
 さらに日本が独立を達成して久しい一九六七年、日本学術会議は、「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」を出した。一九五〇年声明では「敵」は「戦争」だったが、一九六七年声明では「軍事」全般が敵視されるに至っている。侵略を抑止し、戦争の発生を防ぐには一定の軍事力が必要という国際政治の常識に照らせば、改悪と言える。
 さらに二〇一七年三月、日本学術会議は「軍事的安全保障研究に関する声明」を出し、「上記二つの声明を継承する」としたうえで、規制対象を「軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究」にまで広げた。
 特に防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」(二〇一五年度発足)を否定的にとらえ、「研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも使用されうる」から、そうした可能性のある場合は受け入れてはならないと大学はじめ研究機関に「慎重」な対応を強く求めている。
 これは、侵略を抑止するには「軍事的な手段」も必要と考える研究者の「学問の自由」を否定するものであると考える。さらに、先端的な研究であればあるほど、将来、軍事や民生のどの分野にどう活用されるか、当の研究者にも予想がつかない。
 このように「学問の自由」を侵害し、国家安全保障の充実を阻害する声明を掲げる団体に、税金を投入することは正当化されるのか。政府の見解を問う。

 右質問する。
衆議院議員島田洋一君提出日本学術会議への税金投入の是非に関する質問に対する答弁書


 お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが、「軍事的安全保障研究に関する声明」(平成二十九年三月二十四日日本学術会議)については、令和四年四月二十六日の参議院内閣委員会において、政府参考人が「大学等の各研究機関に軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から、技術的、倫理的に審査する制度を設けるべきことを求めるものでありまして、・・・安全保障に資する研究を一律に禁止するという趣旨のものではございません。」と答弁しているところであり、また、日本学術会議法(昭和二十三年法律第百二十一号)第一条第三項において、「日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする」と規定されているところである。

衆議院議員島田洋一氏の質問主意書に見る問題点と課題

衆議院議員島田洋一氏が提出した「日本学術会議への税金投入の是非に関する質問主意書」に対し、政府は「お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではないが」と前置きした上で、形式的な説明にとどまる答弁を行いました。本記事では、この質問主意書の問題点と課題について詳細に分析します。


1. 質問主意書の問題点

(1) 質問の曖昧さ

政府答弁書が「お尋ねの意味するところが必ずしも明らかではない」とした背景には、質問主意書の内容が曖昧であり、政府が具体的に答えにくかった可能性があります。

  • 「日本学術会議への税金投入の是非」に関する具体的な論点が不明確。
  • 日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」に対する評価がどのような論拠に基づいているのかが示されていない。
  • 学術会議の運営や財務の透明性に関する具体的な指摘や根拠が不足している。

このような曖昧な質問では、政府は「制度上の説明」にとどまる答弁をするしかなく、具体的な政策論争に発展しにくいという問題があります。

(2) 問題提起が抽象的すぎる

質問主意書は、日本学術会議の運営や政府からの資金提供の是非を問うものですが、

  • 日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」による具体的な影響の実例が示されていない。
  • 他国の学術機関との比較や、日本国内での他の研究機関の対応との比較が欠けている。
  • 政府がどのような形で日本学術会議を改革すべきか、具体的な提案がされていない。

このように、質問主意書の内容が抽象的であったため、政府は「現行の法制度に基づいている」という形式的な回答をするにとどまる結果となりました。

(3) 政府の答弁を引き出すための工夫不足

政府は、質問主意書に対して極めて形式的な答弁を行う傾向があります。そのため、具体的な政策変更を求める場合は、

  • 具体的なデータを提示する。
  • 既存の法制度や運用の問題点を明示する。
  • 政府が答えざるを得ないような質問の形を取る。

といった工夫が必要ですが、本件の質問主意書にはそれが不足していました。その結果、政府は「日本学術会議法に基づき、国庫負担である」という既存の制度の説明をするだけで済ませてしまいました。

(4) 学術会議改革の方向性が明示されていない

質問主意書が「日本学術会議への税金投入の是非」を問うものであるならば、

  • 日本学術会議が現状どのような問題を抱えているのか。
  • どのような改革が必要なのか。
  • 他国の事例を参考にどのような制度が望ましいのか。

といった具体的な改革案を示すべきでした。しかし、これらが欠如していたため、政府としても「現在の法制度の説明」にとどまる答弁となったのです。


2. 今後の課題と改善策

(1) 具体的な事例とデータを提示する

質問主意書を作成する際には、

  • 日本学術会議の声明がどのように各大学・研究機関の意思決定に影響を与えているか。
  • 学術会議の運営資金がどのように使われているのか、その透明性に関する具体的な問題点。
  • 他国の学術機関との比較による問題提起。

など、具体的な事例やデータを示すことで、政府が「単なる制度説明」で済ませるのを防ぐべきです。

(2) 質問の明確化

政府が明確に答えざるを得ないように、

  • 「日本学術会議の軍事的安全保障研究に関する声明は、政府の安全保障政策と矛盾するのではないか?」
  • 「日本学術会議の声明により、どのような研究が具体的に影響を受けたのか?」
  • 「学術会議の運営資金を減額し、他の学術研究助成に振り向けることを検討しているか?」

といった形で、質問の焦点を明確にし、政府が具体的な答弁をせざるを得ない形にするべきです。

(3) 学術会議改革の具体案を提示する

単に「日本学術会議への税金投入の是非」を問うだけでは、政府が「法律に基づいている」と答えるのは当然です。そこで、

  • 日本学術会議のガバナンス改革案(例えば、外部有識者の導入など)。
  • 軍事的安全保障研究に関する方針変更の必要性。
  • 予算の適正配分についての具体的な提言。

などを示し、「このような改革が必要ではないか?」という形で質問すれば、政府としてもより踏み込んだ回答をせざるを得なくなります。


3. 結論

今回の質問主意書の最大の問題点は、「質問が曖昧で抽象的すぎたため、政府が形式的な説明で済ませる余地を与えてしまった」ことにあります。政府に具体的な回答を求めるためには、

  • 明確な問題提起をする。
  • 具体的な事例とデータを提示する。
  • 学術会議改革の方向性を示す。

といった工夫が不可欠です。

今後、日本学術会議の在り方を問う政治的議論を深化させるためには、質問主意書の作成段階でこれらの課題を克服する必要があります。そうすることで、政府が逃げられない形での政策論争が可能となり、より建設的な議論へと発展するでしょう。



0 件のコメント:

コメントを投稿

😲ウソだろ!?「お昼の12時」が昔は町ごと違った!? ⏰ 湯気♨️が世界を変えた「産業革命」のヤバい話

  😲ウソだろ!?「お昼の12時」が昔は町ごと違った!? ⏰ 湯気♨️が世界を変えた「産業革命」のヤバい話 やあみんな!👋 「世界史」って聞くと、どんなイメージ? 「カタカナの名前覚えるだけでしょ😴」「昔の話、今の私に関係ないし…🥱」 なーんて、速攻でブラウザ閉じようとし...