第14回理事会議事録:議題10
会議詳細
会議名 | 第14回理事会 |
開催日時 | 8月4日 |
議題 | 議題10:サポーターAとの交渉経過と作業の引き継ぎについて |
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1. 議題の背景と目的
本議題は、主要な業務委託先であった「サポーターA」氏が7月16日に一方的に解任されたことに伴い発生した、運営上および法務上の重大な問題について審議するものである。核心となる問題は、解任後にサポーターA氏が管理していた極めて重要な業務データの引き継ぎが全く行われず、組織が進行中の訴訟活動に深刻な支障をきたしている点にある。
この議論の重要性について、冒頭で以下の目的が提示された。
寄付をされた多くの方々への説明責任として、各人の名誉回復のため、そして人命に関わる問題として、本件について議論する必要がある。
本議事録では、このデータ引き継ぎ失敗に至る経緯について、関係者間で全く異なる見解が提示され、激しい議論が交わされた内容を整理し、記録するものである。
2. 主要な論点:業務引き継ぎの失敗に関する双方の主張
議論の中心となったのは、データの引き継ぎがなぜ行われなかったのかという点に関する、根本的に対立する二つの主張である。本項では、飯山氏およびその支持者から提示された主張と、それに対してサポーターA氏の立場を代弁する形で提示された反論を、それぞれ整理する。
2.1 飯山氏側の主張:データの喪失と業務への支障
飯山氏(SPEAKER_04)およびその支持者(SPEAKER_06等)は、サポーターA氏側に責任があるとして、以下の点を主張した。
- 連絡の断絶:サポーターA氏とは「連絡が全く取れない」状態であり、その結果として「作業は引き継げていません」と報告。
- データの状態:サポーターA氏が管理していた全ての重要データ(動画、文字起こし、スクリーンショット、各種一覧表など)へのアクセス権が一方的に外され、最終的にはデータ全体が「ゴミ箱に捨てられちゃった」ため、回復不可能な状態になったと主張。
- 業務への影響:このデータ喪失により、過去半年分の作業を「0から作り上げています」という深刻な手戻りが発生。これにより、進行中の「訴訟に大きな大きな悪意図が出ている」と、業務への壊滅的な影響を訴えた。
- 提案された措置:「守る会」とその弁護士の連名で「内容証明郵便」を送付し、支払い済みの100万円の対価に見合う「成果物」の引き渡しを法的に要求すべきだと提案した。
2.2 サポーターA側の主張(SPEAKER_05による代弁):引き継ぎの不作為と責任の所在
SPEAKER_05は、サポーターA氏の代理として、飯山氏側の主張に全面的に反論し、責任の所在は飯山氏側にあるとして以下の点を主張した。
- 引き継ぎの経緯:解任当日の7月16日、飯山氏は自ら連絡すると約束したが、8月4日の本理事会まで「一度もサポーターへに連絡をしていない」。データの引き継ぎが失敗したのは、不可能だったからではなく、飯山氏側が引き継ぎ作業を全く開始しなかったため(「引き継ぎができないのではなくしていない」)であると指摘。
- データの利用可能性:データは7月27日までクラウド上に、9月15日までチャットワーク上に存在しており、飯山氏もサポーターA氏と全く同じアクセス権限を持っていた。データが利用不能になったのは、飯山氏がその環境を放置し、サポーターA氏に「一声かければ問題はなかった」にもかかわらず、何の問い合わせもしなかったためだと主張。
- 法的措置への見解:一度も話し合いの努力をせず、いきなり「内容証明」を送付する提案は「傍挙」であると強く批判。
- サポーターA氏への影響:サポーターA氏はこの一件で「悪徳業者」とのレッテルを貼られ、多大な尽力にもかかわらず法的措置を示唆されるなど、全ての責任を押し付けられた。その結果、深刻な精神的苦痛に追い込まれ、9月5日には自らの命を絶とうとする事態に至ったと報告された。
これら二つの主張は全く相容れないものであり、議論はさらに具体的な事実関係の矛盾点を精査する方向へと進んだ。
3. 議論における矛盾点と事実関係の分析
議論の過程で、双方の主張には複数の重大な矛盾点や事実関係に関する争点が存在することが明らかになった。以下の表は、議論を紛糾させた主要な論点を整理したものである。
論点 | 飯山氏側の主張 | サポーターA側の反論 (SPEAKER_05) |
連絡の有無 | 「連絡が全く取れない」と主張。 | 飯山氏からは一度も連絡がなかった。野中弁護士とは7月16日に会話しており、連絡は取れる状態だった。 |
データの状態 | データは「ゴミ箱に捨てられ」「回復不可能」。 | データは7月27日までクラウド上に、9月15日までチャットワーク上に存在した。飯山氏がデータを保存しなかったのが原因。 |
責任の所在 | サポーターAがデータを引き渡さず、訴訟に支障をきたした。 | 飯山氏が解任後に引き継ぎ連絡を怠ったことが全ての原因。 |
契約主体 | 「守る会」が契約主体であるとして、会としての法的措置を提案。 | 野中弁護士自身が「契約は飯山氏とサポーターAとの間」と発言しており、話が矛盾している。 |
報酬 | 100万円の対価を支払った成果物の引き渡しを要求。 | 実際の対価は90万円であり、実作業量と比較して少ない。労働そのものが対価である。 |
これらの未解決の矛盾点により、責任の追及だけでは解決が困難であることが明確になり、議論は具体的な解決策の模索へと移行した。
4. 解決策の模索と提案
対立が深まる中、議論の焦点は非難の応酬から、実行可能な解決策を見出す方向へとシフトした。特に、本件が単なる業務上の問題ではなく「感情問題」に発展しているとの認識が示され、即時的な法的措置を求める意見と、対話を優先する外交的なアプローチを求める意見の二つが提示された。
- 法的措置の即時実行 長谷川氏(SPEAKER_03)をはじめとする複数の理事は、内容証明郵便の即時送付を強く主張した。その根拠として、①会として100万円を支払済みであること、②来たるべき裁判の期日に向けてデータが緊急に必要であること、③問題発生から既に1ヶ月が経過していることを挙げた。この措置は、寄付者に対する説明責任を果たす上で不可欠であると位置づけられた。
- 対話による解決の試み 一方、鈴木氏(SPEAKER_11)やSPEAKER_08らは、本件が「感情問題」と化している以上、法的措置という威圧的な手段は逆効果だと指摘した。彼らは、まず信頼関係のある第三者(SPEAKER_08、SPEAKER_10、野中弁護士など)がサポーターA氏に接触し、事態の沈静化を図りながら協力的な引き渡しを説得すべきだと提案した。強硬策の前に、まず対話の可能性を最大限追求することが先決であるとの立場を示した。
最終的に、理事会はこれら両方のアプローチの利点を考慮し、段階的かつ複合的な対応策を採ることで意見が一致した。
5. 決定事項と今後の対応
議論の結果、理事会はデータの緊急性と複雑な人間関係の両方に対処するため、段階的なアプローチを採ることで合意した。具体的には、まず対話による円満解決を試みつつ、それが不調に終わった場合に備えて法的措置の準備を並行して進めるという二段構えの方針が決定された。
アクションプラン
- 即時連絡の試行:野中弁護士および関係者は、直ちにチャットワーク、電話、電子メールなど、あらゆる可能な手段を用いてサポーターA氏への連絡を試み、対話の窓口を開設してデータの引き渡しを要請する。これを最優先事項とする。
- 法的措置の準備:上記と並行して、野中弁護士は内容証明郵便の起案を進める。
- 条件付き発送の決定:今後1〜2日以内にサポーターA氏からの協力的な連絡がなく、データ返還の目処が立たない場合、準備した内容証明郵便を発送することを決定する。
- 結果報告:交渉の進捗および結果については、メーリングリストを通じて速やかに理事会へ報告する。
本議題の審議を通じて、サポーターA氏の解任後に深刻なコミュニケーション不全と認識の齟齬が生じていたことが浮き彫りになった。理事会は今回、明確な期限を設けた上で、まずは穏便な解決を目指し、それが不可能な場合の次善策として法的措置を準備するという具体的な行動計画を確立した。最終的な目標は、進行中の訴訟に不可欠な重要データを確実に回収することである。
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