2026-03-05

【帝都炎上】「にっぽんぽん・あさっての党」瓦版ファクトチェック大騒動!

わたしはチ~サ。臆病でおとなしい性格のせいか、文明開化に湧く帝都・東京の片隅で、どういうわけか政治結社「にっぽんぽん・あさっての党」の雑用係をしている。

今日も結社の長屋は、朝から大騒ぎだった。

「ええゆうてるんちゃうで!」
関西弁の怒声とともに、南蛮渡来の透明な筒――“ぺっとぼとる”なる謎の代物が宙を舞い、わたしの頭上をかすめた。

「ワシらの瓦版が炎上して、おひねりが減ったらどないすんねん! 恋すれば何でもない距離やけど、金が減るのはSFやで!」
がめつく卑怯な我らが代表が、畳の上で地団駄を踏んでいる。

原因は、我が党が毎朝発行している瓦版『あさ8時』の大炎上だ。
町奉行所のファクトチェック同心から、「ジム総長が書き散らした内容は、全てデマと無知の極みである」と徹底的に酷評されてしまったのだ。

「今日はその話ですか?」
当のジム総長は、涼しい顔で茶をすすっている。

「総長! 瓦版で『旧姓のまま為替口座も土地の地券も作れる』って書いたせいで、両替商から苦情の嵐です! マネロン対策の本人確認で、今は実務上不可能なんですよ!」
わたしが震えながら訴えると、ジム総長はパッと目を輝かせた。

「見た! アタシそれ見た! 旧姓で口座作ってる町娘、品川宿で見たわ!」
「絶対に見てないですよね!?」
「こうなること何となく予測してたわ。特には驚かなかったわね。結果として奉行所の行動で利しているのは、我があさっての党よ!」

どんな理屈だ。息を吐くように嘘をつき、天然ボケで話をすり替える。

「ウキー! 異人のお雇い労働者が一匹来たら、家族が10匹ついてくるウキ! デコバカ!」
障子を突き破って現れたのは、党の広報担当・ま猿だ。悪質なデマを叫ぶだけ叫ぶと、嵐のように去っていく。

「それも嘘です! 法的にお雇い異人の家族帯同は『配偶者』と『未成年の子』だけです! 極めて非現実的なレアケースで煽らないで!」
わたしが涙目で叫んでも、誰も聞いていない。

「うるさい!静かにしろ!」
今度はピライさんがふすまを開けて怒鳴り込んできたかと思うと、そのまま回れ右して即座に帰っていった。あの人は一体何がしたいんだ。

「ボクは代表とジム総長を命がけでエクストリーム擁護します! 新嘉坡(シンガポール)の下女がヒジャブを被ってないのも、早苗札(サナエトークン)がこれから規制されるというのも、全部真実です!」
カレーの本質さんが、代表の足元にひれ伏しながら熱弁を振るう。

「だから、早苗札は『無登録の違法藩札疑惑』で燃えてるんですよ! 新嘉坡の病院でもヒジャブは公式に解禁されてますし、日本のマクロ経済や労働力不足の現実を無視したゼロサムの誤謬です!」
わたしの悲痛なツッコミは、またしても遮られた。

「拙者の異人国(トランプ政権)とのパイプを使えば、こんな炎上すぐ鎮火するんやざ!」
福井弁で偉そうに胸を張るのは、パイプユニッシュさんだ。
「党勢拡大は間違いない! 政策で勝負じゃ!」
「パイプさん、あなたのパイプ、泥で完全に詰まってますよ……!」

「まきまき! 逆から読んでもまさきまき!」
さらに、元職員のまきまきさんが情緒不安定に踊り狂いながら乱入してきた。
「旦那の飛脚文(Xポスト)のせいでクビになっちゃったぁ! あはははは!」

カオス。完全なるカオスだ。
客観的なデータも法律の基本も無視し、イデオロギーと感情論だけで暴走するこの結社に、明日はない。

「SFやで、ホンマ……」
代表が再びぺっとぼとるを振り上げた。

その瞬間、わたしの中で何かが弾けた。
臆病で、いつも隅っこで震えていたわたし。でも、このままじゃダメだ。

「いい加減にしろォォォォ!!」

わたしの怒鳴り声に、長屋が水を打ったように静まり返った。

「代表は金に汚い! 総長は嘘つき! ま猿はデマ! ユニッシュさんは詰まってる! まきまきさんは帰れ! ピライさんはただの通り魔! あんたたちのせいで、日本の政治がもっとカオスになるでしょうが! ファクトを! 客観的な現実を見なさいよ!!」

沈黙。
誰もが目を丸くして、わたしを見つめている。

や、やってしまった……。怒られる。
震え上がるわたしに向かって、代表がポツリと呟いた。

「……チ~サ。お前、成長したな」
「えっ」
「その勢いで、奉行所に殴り込んでこい! ワシらはここで見守っとるからな!」
「今日はその話ですか?」

結局、誰も何も反省していなかった。
ギャグのように崩れ落ちるわたしをよそに、あさっての党のどんちゃん騒ぎは続く。

わたし、チ~サ。
この狂った明治の帝都で、最強のツッコミ役として生き抜いてみせる――そう固く誓った、涙の朝だった。

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