むかしむかし、時を忘れた党にて
むかしむかし、時間という概念があやふやな人々が集まる日本保守党という一団がありました。彼らは「秩序」を大切にすると言いながら、最も無秩序な存在であることに気づいていませんでした。
ある日、ちさは事務総長と話していました。
「わたし、昔、ブラジル人の弁護士と話したことあるんですけどね」
「今日はその話ですか?」事務総長は興味津々に頷いた。
「名古屋には昔ブラジル人が多かったんですよ。でね、彼らに『9時から仕事ですよ』って言っても、誰一人9時には来ないんです!」
「なるほどね!」事務総長は納得したように言った。
その瞬間、ちさの脳内である記憶が蘇った。
(あれ…? 事務総長って、この前遅刻してなかったっけ…?)
三日前、朝のこと——
朝8時、日本保守党の配信が始まるはずだった。
しかし、代表がカメラの前で仁王立ちしていた。
「えー、なぜ今日ワシがワンショットでやってるかと言いますとですね…」
ちさはドキリとした。いやな予感がする。
「事務総長が今、おそらく顔を建設中でございます!」
「……顔を、建設?」
すると、9時01分。ついに事務総長が現れた。
「どうしました? 何事もなかったように。何事もなかったように!」
代表は苦笑した。「何事もなかったようにですね。」
パイプユニッシュも渋い顔で言った。「スッと事務総長が…」
(えぇぇ……何事もなかったことにしようとしてる……!)
しかし、ちさは知っていた。
8時37分、事務総長はXに投稿していたのだ。
《昨日の額賀衆議院議長による聞き取りに先立ち、河村共同代表と私とで、あらためて日本保守党の皇位継承への考えを確認しました…》
「……これが遅刻の原因では?」
ちさの脳裏に、事務総長がスマホをいじりながら「時間? それって食べられるの?」みたいな顔をしている姿が浮かんだ。
現在に戻る——
ちさは、思い切って言ってみた。
「事務総長、時間を守れるのは日本人ぐらいって話でしたよね?」
「知ってる、アタシそれ知ってる!」
「じゃあ……なんで遅刻するんです?」
事務総長は一瞬固まった。
「……なるほどね!」
(いや、なるほどねじゃなくて!)
そのとき、代表が割り込んできた。
「ええゆうてるんちゃうで! ワシらの時間はな、恋すれば何でもない距離やけど、愛がないと長すぎるんや!」
「いや、時間の話してるんですけど!」
「SFやで!」
「関係ないでしょ!!」
そのとき、不快な甲高い笑い声が響いた。
「ギャハハ!! みんな聞けぇぇぇ! 代表の時間感覚は宇宙基準なんだべさ!」
ちさが振り返ると、そこにはま猿🐒がいた。
「いや、お前が時間語るな!」
「うるさい! 静かにしろ!」
突然、ピライがブチギレた。
すると、コトエが現れ、叫んだ。
「訴訟じゃ! 時間を守れと言うのは名誉毀損じゃ!」
「どっちやねん!!!」
そして、カレーの本質🍛がにこやかに言った。
「ボクは思うんだけど、代表が遅刻したとしても、それは遅刻じゃないんじゃない?」
ちさは、すべてを悟った。
ここに時間という概念は存在しない。
彼らは時を超越した存在だったのだ。
「……わたし、ここでやっていけるんやろか。」
そう呟いたちさの声は、またしても誰にも届かず、新橋SL広場の空へと消えていった。
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